2023年 3月

2023年統一地方選挙にあたっての石川民医連の基本要求
2023年3月13日
石川民医連四役会議

わたしたちは、「安心して住み続けられるまちづくり」を掲げる医療・介護福祉団体として、2023年統一地方選挙にあたり、以下の項目を要求します。

1. いのちと健康、暮らしを守るまち                      
① コロナ禍からいのちと暮らしを守る
・発熱や新型コロナウイルス感染症感染が疑われる症状があるとき、すぐに受診、検査できる医療提供体制を確保すること。受診に係る情報は、ホームページ掲載だけでなく、すべての住民に行きわたる方法で周知すること。
・クラスターが多発する医療や介護、福祉の現場で働く従事者を守り、感染対策及び財政支援により医療や介護、福祉提供体制を守ること。
・保健所を増設するとともに、その機能強化を図ること。
・医師、看護師を増やすこと。今後の新興感染症にも対応できるゆとりある保健・医療提供体制を実現すること。
・医療、介護、福祉職員の処遇を改善し、有効な人材確保策を行うこと。
・コロナ禍により困難となっている生活、営業を守る取り組みをすすめること。
② 受療権保障、医療・介護提供体制
・医療費の減免、無料化により受療権を保障すること。
・住民に無料低額診療事業の周知をはかること。また、同事業を院外処方の場合にも拡大するよう国に要望すること。それが実現するまでは、自治体として同事業利用者の院外処方の薬代を補助すること。
・マイナンバーカードの強制取得による健康保険証の廃止の中止を国に要望すること。
・病床削減ありきの地域医療計画による公立・公的病院をはじめとする病院の削減、統廃合を中止すること。審議内容を公開し、住民の意見を取り入れて計画作成すること。
③ 市町村国保
・国保料は被保険者が生活を維持できる金額とし、子どもの保険料はゼロにすること。国保77条による保険料減免の適用を拡大すること。
・国保44条による一部負担金の減免の適用を拡大すること。
・短期保険証、資格証明書発行はやめること。
④ 介護・高齢者施策
・新型コロナウイルス感染症に感染した高齢者を施設に留め置くなど、高齢を理由にいのちをないがしろにする事態を二度と起こさないために、高齢者の人権、受療権を保障する医療・介護体制を構築すること。
・聴こえの支援、認知症予防にもつながる補聴器の補助制度を創設すること。
・障害者控除認定制度の対象者が、漏れなく控除を受けられるように、周知、案内、申請援助を行なうこと。
⑤ 障害者施策
・精神障害者保健福祉手帳2級者を心身障害者医療費助成制度の対象にすること。(現在は能美市のみ実施)
・40歳以上の特定疾病・65歳以上障害者について、「介護保険利用を優先」と一律にすることなく、本人意向にもとづき障害福祉サービスが利用できるようにすること。
⑥ 生活保障・生活保護・生活困窮者への支援
・自治体のホームページ及び生活保護の「しおり」には、生活保護は国民の権利であることを周知し、同意のない扶養照会はやめ申請しやすい窓口とすること。
・車の保有については、石川県では自立支援はもちろんのこと、食料品の買い出しなど日常生活を送る上でも必要なものであり、個別の事情を十分に考慮すること。
・生活保護担当ケースワーカーを増やすこと。
・生活保護利用者のみにジェネリック医薬品の使用を求めることは行わないこと。

2. 住民の福祉の向上を図り、多様性を認め合う文化を育むまち          
① 「住民の福祉の向上を図る」地方自治体本来の責務を果たすこと
・上下水道事業の民間委託は行わないこと。
・「住民の福祉の向上を図る」ために必要な公務員を確保すること。
② 憲法および国際的な人権規範に基づく地方自治体を実現すること
・政治への女性参画をすすめ、議会での女性差別をなくすこと。
・ジェンダー平等をめざし、パートナーシップ制度、選択的夫婦別姓の推進、性的指向と性自認に基づく差別や排除を禁止する条例をつくること。
・自治体デジタル化においてプライバシーを守り、自己情報コントロール権を保障し、個人情報を保護すること。
③ 地方自治における民主主義を守ること
・地方政治、行政における旧統一教会などの反社会的勢力との癒着を断つこと。
④ ギャンブル依存症など健康をおびやかす危険のある施設等は、いかなる地域でも設置しないこと

3. 子ども・子育てを応援、教育を大切にするまち                
① 子どもの人権、一人ひとりの成長の保障
・子育てや教育に必要な予算の大幅な拡大、教育費については少なくともOECD諸国平均のGDP比までの拡大を求めること。
・大学授業料等の減免制度、給付制奨学金の創設・拡充をすすめること。
・18歳以下の子どもの医療費を無料にすること。
② 保育
・公的保育の拡充を図ること。保育料の引き下げを行うこと。職員が健康に働き、親が安心して子どもを託せる配置基準にすること。
③ 教育
・学校および親権者などによるいじめやあらゆる体罰をなくすこと。
・学校給食を無償化すること。
・学校のトイレに生理用品を常備すること。
・障害をもつ子どものインクルーシブ教育実現を早急にめざすこと。
・ヤングケアラーの実態を把握し、公的な介護により支援すること。

4. 人権と平和が守られ、誰もが安心して暮らせるまち              
① 孤立を防ぎ一人ひとりを大切にする総合的な支援
・ひとり親世帯、高齢者世帯や単身世帯、障害者、障害者を家族に持つ家庭等への総合的で継続的な公的支援体制をつくること。
② 住宅
・住まいは人権であり、収入に応じて入居できる公営等の住宅を拡充すること。
③ 交通
・障害者や独居高齢者等が生活していくために必要な交通手段の確保、バリアフリー化をすすめること。交通権、移動の権利を保障すること。
④ 税制・物価高騰対策
・いのちと健康、生活とくらしを破壊する大軍拡にともなう大増税の中止を国に強く求めること。
・公共料金の補助制度創設など、物価高騰から生活、営業を守るための支援を行うこと。そのために必要な財政出動を国に求めること。
⑤ 防災・災害対策
・地域の災害特性に応じた防災・災害対策を強化すること。そのために必要な財政支出を国に要望すること。
⑥ 脱原発・脱炭素・緑のあふれるまち
・志賀原発は即時廃炉にし、原発に頼らない再生可能エネルギーと省エネに本格的に取り組み気候危機問題の打開をすすめること。
・国に対し、原発再稼働、老朽原発の運転、原発の新増設の中止を求めること。
⑦ 平和・核兵器廃絶
・非核平和都市宣言を行い、国に対し核兵器禁止条約の批准を求めること。
・住民のいのちと健康をおびやかす小松基地での米軍及び自衛隊の危険な訓練を中止すること。
・地方自治体は、自衛隊に対し、勧誘を目的とした住民名簿の提供を行わないこと。

以上

  <書籍のご案内>